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女子高生
 夕暮れの街に溶け込みそうなほど、彼女は酷く虚ろな目をしていた。溜め息をつくでもなく、何かを呟くでもない。ただじっとたたずみ、静かに笑った。
「じゃあ、またね。明日、学校で」
 身体の後ろで指をもてあそび、本当は何か言いたげだと、僕は根拠もなく思った。
「うん。また」
 気の利いた台詞も言えず、彼女にそう言うしかない自分。嫌悪感がひたすら胸を巡り、もやもやする。
 最近塞ぎがちの空っぽのような彼女の心を何とかしたいとここまで来たけれど、どうやら僕は彼女の自宅まで送っていくことすら出来ない小心者のようだ。
 さようならと小さく振る手が、どこか震えていたのに、それすらも気付けない。
 次の日、彼女は来なかった。
「転校したらしいよ」
 後で聞いた噂話。お互い、何も言えないまま終わってしまったなんて、大人になったら笑って話せるだろうか。
 好き、って一言が、思ったよりも大きく僕にのしかかった。