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 虚空の惑星
「そうだ、だから言っただろう。最悪の事態だって」
「だって、まだ若い。お前が言うような人物にはとても……」
 ドン、という鈍い音が狭い部屋に響いた。思い切り蹴り飛ばされたデスクの脚が、ディックの脚力に耐えかねてグランと揺れる。
「誰もいないはずのこの島で二人が出会ったのは、紛れもない『あの男』。散々俺達を、俺を苦しめた、諸悪の元凶『ティン・リー』だ!」
「な、何かの間違いじゃないのか」
「間違い? 何を間違うって言うんだ。――この十七年間、ずっと待ち望んでいた。あいつを殺すチャンスをうかがっていた。善人面で端正な奴の顔が、真っ赤に染まるのを、ずっと待っていた。……逃しはしない……」



13・最悪の事態」より抜粋